Fender Studio Pro 8 ってなに?
🎸 ひとことで言うと…
「ギター・ベースを弾く人のための、すごく本格的な音楽作成ソフト」です。
ギターをパソコンにつないで録音したり、ドラムやシンセを打ち込んだり、録った音を加工したり、完成した曲をMP3やWAVファイルにして書き出したりできるDAW(ダウ)と呼ばれる種類のソフトです。
DAW ってなに?
DAW(ダウ)= Digital Audio Workstation(デジタル・オーディオ・ワークステーション)の略で、日本語にすると「デジタルで音楽を作る作業場」という意味です。昔はテープに録音していたものが、今はパソコンの中で全部できるようになりました。
🎵 できること
- ギター・ボーカル・楽器を録音する
- ドラムや鍵盤を「打ち込む」(MIDIで入力)
- 録音した音をカット・コピー・移動する
- エフェクト(音の加工)をかける
- 複数の音を混ぜてバランスを整える(ミックス)
- 音量を均一にする(マスタリング)
- MP3・WAVなどで書き出して配布する
🌟 Fender Studio Pro 8 の特長
- もとは「PreSonus Studio One Pro」という超有名DAWをベースにしている
- フェンダーのギター・ベースアンプを完全再現したプラグイン付属
- AIが音を自動でMIDIに変換してくれる機能あり
- コードを自動提案する「コードアシスタント」機能
- ドラッグ&ドロップで直感的に操作できる
- ライブ演奏用の「ショーページ」機能
どうして「フェンダー」のソフトなの?
2021年、ギターで有名なフェンダー社が、DAWを作っていたPreSonus(プリソーナス)社を買収しました。それまで「Studio One Pro 7」という名前だったDAWが、2026年に「Fender Studio Pro 8」に名前を変えてリリースされました。中身のエンジンは同じですが、フェンダーのアンプ・エフェクトが標準搭載されるようになりました。
💰 価格・ライセンス
$199.99
一度買えばずっと使える。1年間の新機能アップデート付き。
$179.99/年
買い切り+Pro+の追加機能へのアクセス権付き。
$19.99/月
毎月払うタイプ。とりあえず試したい人向け。
動作環境(対応パソコン)
| 項目 | Windows | macOS | Linux |
|---|---|---|---|
| OS | Windows 10 (22H2以降) / Windows 11 | macOS 12 Monterey以降 | Ubuntu 24.04 LTS以降 |
| CPU | Intel Core i5 / AMD Ryzen 5 以上推奨 | ||
| メモリ | 最低8GB(16GB以上推奨) | ||
| ストレージ | インストールに約40GB、コンテンツ含めると200GB以上推奨 | ||
| オーディオ | ASIOドライバ対応のオーディオインターフェイスを推奨 | Core Audio対応インターフェイス | ALSA/JACK対応 |
インストールとアクティベーション
インストール手順
my.fender.com にアクセスして、メールアドレスでアカウントを登録します。買い切り版の場合は「Register a Product(製品を登録する)」ボタンを押してプロダクトキーを入力します。
MyFenderアカウントのページからFender Studio Pro 8のインストーラー(.exeまたは.dmg)をダウンロードします。ファイルサイズが大きいので、Wi-Fiがある場所でダウンロードしましょう。
ダウンロードしたファイルをダブルクリックして起動します。指示に従って「次へ」を押し続けます。インストール先はデフォルトのままでOKです。
インストール完了後にソフトを起動すると、ライセンス同意画面が出ます。「I Accept」を押してからMyFenderのメールアドレスとパスワードでログインすると、自動的に認証されます。
200GB以上のループ素材・サンプルが別途ダウンロードできます。ソフト内の「Studio One Exchange」または「Package Manager」から選んで入手できます。必要なものだけ入れればOK。
オーディオインターフェイスのドライバ設定
Fender Studio Pro 8を使う前に、オーディオインターフェイス(ギターをパソコンにつなぐ機械)のドライバを先にインストールしておく必要があります。
- Windowsの場合:ASIOドライバを製品公式サイトからダウンロードしてインストール
- macOSの場合:多くの場合はドライバ不要でCore Audioが使える
- Fender Quantum LTシリーズなら:プラグ&プレイ(差すだけで使える)
オーディオデバイスの設定
ソフト起動時のスタートページにある「オーディオインターフェイスのアイコン下のボックス」をクリックするか、メニューの Studio Pro → Options → Audio Setup を選択します。
「Audio Device」のドロップダウンメニューから、自分のオーディオインターフェイスを選びます。表示されない場合はドライバのインストールを確認してください。
「Device Buffer Size(デバイスバッファサイズ)」を設定します。録音中は128〜256に設定すると遅延(レイテンシー)が少なくなります。ミックス作業中は512〜1024にすると安定します。
パソコンが音を処理するときの「貯め水」の量です。少ないほど音の遅れ(レイテンシー)が小さくなりますが、パソコンへの負担が増えます。大きいほど安定しますが音が遅れて聞こえます。録音中は小さく、ミックス中は大きくするのがコツです。
画面の見方(UI完全ガイド)
Fender Studio Pro 8の画面は大きく3つのページに分かれています。最初は「セッションページ」をメインに使います。
3つのメインページ
🎛️ セッションページ
音楽を録音・編集・ミックスするメインの作業スペースです。一番よく使います。ここにトラックを並べて曲を組み立てます。
💿 マスタリングページ
複数の曲を並べて最終的な音量調整や仕上げをするページです。アルバムを作るときなどに使います。
🎤 ショーページ
ライブ演奏で使うページです。バッキングトラック(伴奏)を流しながら演奏したり、動画を表示したりできます。
セッションページの各部名称
(Fender Studio Pro 8を起動して曲を作り始めると、このような画面が表示されます)
① トランスポートバー(画面下部中央)
音楽プレイヤーのような操作ボタンが並んでいます。
- ⏮ 先頭に戻る:曲の最初に戻る
- ⏹ 停止:再生や録音を止める
- ▶ 再生:曲を再生する(スペースキーでもOK)
- ⏺ 録音:録音を開始する(*キーでもOK)
- BPM表示:テンポ(速さ)を数字で表示・変更できる
- 拍子表示:4/4などの拍子を設定する
② ツールバー(画面上部)
編集ツールが並んでいます。
- 矢印ツール:クリック・移動の基本ツール(F1)
- 鉛筆ツール:音符やオーディオを描く(F6)
- 消しゴムツール:音符や音声を削除する(F7)
- カミソリツール:オーディオを切り分ける(F8)
- 虫眼鏡ツール:ズームイン・ズームアウト
③ アレンジメントビュー(画面中央)
トラック(各楽器の音の並び)が横に並ぶ、曲を組み立てる場所です。左から右に時間が流れています。録音した音(クリップ)がブロックとして表示されます。
④ コンソール/ミキサー(画面下部)
各トラックの音量・パン(左右バランス)・エフェクトを調整するミキサーです。F3キーで表示/非表示を切り替えられます。
⑤ ブラウザ(画面右側)
音源(インストゥルメント)・エフェクト・ループ素材などを検索・表示するパネルです。ドラッグ&ドロップでトラックに追加できます。F5で表示切替。
⑥ インスペクター(画面左側)
選択中のトラックやクリップの詳細設定が表示されます。音程の調整・ループ設定・タイミング補正なども行えます。
新機能:チャンネルオーバービュー
Fender Studio Pro 8で追加された「チャンネルオーバービュー」は、選択中のトラックのすべての設定(エフェクト、音量、パンなど)をアレンジメントビューの下に横一列で表示する新しい画面です。
アナログの本物のミキサー卓(スタジオにある大きな機械)のように、一つのチャンネルの全情報が一目でわかります。
- トランスポートバーのボタン、またはトラックをダブルクリックで表示
- エフェクトのつまみを直接クリックして調整できる(プラグインを開かなくてもOK)
- コンソールビューとオーバービューはボタンで切り替え可能
スマートテンプレート
新規曲を作るとき、「どんな音楽を作りたいか」を選ぶだけで最適なトラック構成が自動でセットアップされます。
すぐにギターやボーカルを録音したいときのテンプレート
ビートメイクに最適な構成。ドラム・シンセ・サンプラーが配置済み
即興演奏・セッション向け。ループ素材も活用できる
動画・ポッドキャスト用。ボイスオーバーと音楽のトラックが配置済み
ナレーション・声の録音に特化したセットアップ
作曲・楽譜作成向けのMIDIトラック構成
録音する(レコーディング)
録音の準備
スタートページの「+ New…」をクリック → テンプレートを選択 → 曲名・保存場所・オーディオ設定を入力 → 「OK」。または既存のソングを開いても構いません。
メニューの Track → Add Audio Track(オーディオトラックを追加)、または画面左側のトラックリストで右クリック → 「Add Audio Track」を選択します。
トラック左のインジケーター部分で、どの入力(Input 1、Input 2など)を使うか設定します。ギターをオーディオインターフェイスの「Input 1」につないでいる場合は「Input 1」を選びます。
トラック左側にあるスピーカーアイコン(🔊)をクリックします。これをオンにすると、録音前でも演奏しながら自分の音をヘッドフォンで聴けます。
トラック左側の赤い○(録音ボタン)をクリックして点滅させます。これで「このトラックに録音する準備ができた」という状態になります。
トランスポートバーの赤い◉ボタンをクリック、または*キーを押すと録音が始まります。演奏が終わったらスペースキーで停止します。
録音前にトラックのレベルメーター(音の大きさを表す棒グラフ)を確認しましょう。緑〜黄色が理想です。赤になる(クリップする)と音が割れてしまいます。インターフェイスのゲインノブで調整してください。
ループ録音(同じ場所を繰り返し録音する)
難しいフレーズは、繰り返し録音して一番良いテイクを選べます。
- ループの範囲を選択して右クリック → 「Set Loop Selection(ループ選択をセット)」
- トランスポートバーのループボタン(🔄)をONにする
- 録音開始すると、ループ範囲内で繰り返し録音され、各テイクが保存される
- 録音停止後、各テイクから一番良いものを選んで使える(コンプ録音機能)
トラックの種類
| トラック種類 | 何に使う? | 例 |
|---|---|---|
| オーディオトラック | マイクやギターなど、実際の音を録音する | ギター、ボーカル、ドラム録音など |
| インストゥルメントトラック | MIDIデータで仮想楽器を鳴らす | ピアノ音源、ドラム音源、シンセなど |
| バストラック | 複数トラックをまとめてグループ処理する | ドラムバス、ボーカルバスなど |
| FXチャンネル | リバーブやディレイを共有して使う(センド/リターン) | ルームリバーブ、ホールリバーブなど |
| フォルダトラック | 複数トラックをまとめて整理する(音は出ない) | 「ドラム類」「ギター類」でまとめる |
録音した音を編集する
基本的な編集操作
クリップ(音のブロック)を移動する
矢印ツール(F1)でクリップをドラッグするだけ。別のトラックにもドラッグで移動できます。
クリップを切る
カミソリツール(F8)でクリックすると、その位置でクリップを分割できます。Alt(Macはoption)を押しながら矢印ツールでも切れます。
クリップをコピー&貼り付け
Ctrl+Cでコピー、Ctrl+Vで貼り付け。Ctrl+Dで選択箇所を複製して右隣に貼り付けます(繰り返しフレーズに便利)。
クリップの長さを変える
クリップの右端をドラッグすると長さを変えられます(短くしても音は消えません。また端を引き伸ばすと戻ってきます)。
ピッチ(音程)を修正する — Audio to Note変換
Fender Studio Pro 8の目玉機能のひとつ。録音したギターやボーカルのメロディーを、AIが自動でMIDI(デジタルの音符データ)に変換してくれます。
録音したギターやボーカルのクリップを右クリックします。
右クリックメニューから「Audio to Note(オーディオをノートに変換)」を選びます。
AIが音程を解析して、MIDIノートに変換します。変換後はピアノロールで音符を編集できます。
タイミングを修正する(クォンタイズ)
クォンタイズとは、少しズレたタイミングを正確なグリッドに自動で揃える機能です。MIDIデータだけでなく、オーディオのタイミング修正(Audio Bend)にも対応しています。
- MIDIクリップを選択 → Qキーでクォンタイズ
- 設定は 1/4音符・1/8音符・1/16音符などから選択
- 「クォンタイズ強度(Quantize Strength)」で完全に揃えるか、ほんの少しだけ揃えるか調整可能
ショートカットキー一覧(編集)
| 操作 | Windows | Mac |
|---|---|---|
| 元に戻す | Ctrl+Z | ⌘Z |
| やり直し | Ctrl+Y | ⌘Y |
| コピー | Ctrl+C | ⌘C |
| 貼り付け | Ctrl+V | ⌘V |
| 複製(右隣に貼り付け) | Ctrl+D | ⌘D |
| 削除 | Delete | Delete |
| 全選択 | Ctrl+A | ⌘A |
| クォンタイズ | Q | Q |
| 再生/停止 | Space | Space |
| 録音開始/停止 | *(テンキー) | * |
| 先頭に戻る | Enter | Enter |
| ズームイン(横) | 右矢印 + Ctrl | 右矢印 + ⌘ |
ミックスする(Mixing)
🎛️ ミックスってなに?
ミックス(ミキシング)とは、複数のトラック(ギター、ドラム、ボーカルなど)の音量・左右の位置・音色を調整して、全部まとめて聴いたときにきれいに聞こえるようにする作業です。
料理で言えば、各食材(トラック)の量と味付け(エフェクト)を調整して、全体的においしい料理(曲)に仕上げる工程です。
ミキサー(コンソール)の使い方
F3キー、またはメニューから「Mix」を選ぶとミキサーが表示されます。
フェーダー(音量スライダー)
各チャンネルの縦長のバーがフェーダーです。上下にドラッグして音量を調整します。0dB(0デシベル)が基準です。ドラムを少し大きく、ギターを中くらい、ボーカルを一番前に出るように調整しましょう。
パン(左右バランス)
フェーダーの上にある丸いつまみがパンです。左に回すと音が左から聞こえ、右に回すと右から聞こえます。真ん中(C)が中央です。ギターを左右に振り分けると広がりが出ます。
ミュートボタン(M)
チャンネルのM(ミュート)ボタンを押すとそのトラックを無音にします。ミックス中に「このトラックをしばらく消して確認したい」というときに使います。
ソロボタン(S)
チャンネルのS(ソロ)ボタンを押すと、そのトラックだけが聴こえる状態になります。「このギターだけ聴いてみたい」というときに使います。
EQ(イコライザー)で音色を整える
EQ(イコライザー)とは、音を「低音(ドンドン)」「中音(ジャカジャカ)」「高音(シャリシャリ)」の帯域ごとに増減させるツールです。
低音域(ローエンド)
100Hz以下の「ドンドン」という音。ベースやバスドラムが担当。多すぎるとモコモコする。
中音域(ミッドレンジ)
200Hz〜4kHzの音楽の「体」の部分。ギターやボーカルの厚みはここ。
高音域(ハイエンド)
8kHz以上の「シャリシャリ」した空気感。シンバルやボーカルの空気感はここ。
ハイパスフィルター(HPF)
80〜100Hz以下の不要な低音をカットする。ほぼすべてのトラックにかけると良い。
コンプレッサーで音量のムラを整える
コンプレッサーとは、大きすぎる音を自動で小さくして、音量を一定に保つプラグインです。
Threshold(しきい値)
「この音量より大きくなったら圧縮する」というラインです。-20dBなら、-20dBを超えた分だけ圧縮されます。
Ratio(圧縮比率)
「どのくらい圧縮するか」の比率。4:1なら、しきい値を4dBオーバーしても、出力は1dBしか増えません。
Attack(アタック)
音が来てから圧縮が始まるまでの時間。遅くするとドラムのアタック感が生きます。
Release(リリース)
音が収まってから圧縮が解除されるまでの時間。短すぎるとポンピング(音がビクビク)します。
センドエフェクト(リバーブ・ディレイの使い方)
リバーブ(残響音)やディレイ(やまびこ)は、一つのFXチャンネルに置いて、複数トラックから「送る」方法が一般的です。これをセンド/リターンと呼びます。
- コンソールに「FXチャンネル」を追加する(コンソールの+ボタン → Add FX Channel)
- 追加したFXチャンネルにリバーブ(例:Room Reverb)を挿入する
- ギタートラックのSend欄で、FXチャンネルへの送り量を調整する
- 送り量を増やすほど、リバーブがたくさんかかる
この方法だとCPU節約になり、全トラックのリバーブの「空間」を統一できます。
付属プラグイン完全解説
Fender Studio Pro 8には数多くのプラグインが付属しています。外部プラグインを買わなくても、プロレベルの音が出せる内容が揃っています。
フェンダーの人気ギターアンプ「Mustangシリーズ」を完全再現したFender Studio Pro 8限定の専用プラグインです。ギターをオーディオインターフェイスに直接つないで、本物のアンプサウンドを再現できます。
含まれるアンプモデル(39種類)
小型・クリーンサウンド。ブルースに最適。
ハリのあるクリーントーン。スタンダード中のスタンダード。
暖かみのある歪み。ブルースロックの定番。
クリーンからヘビーゲインまで幅広い。
深みのあるビブラートが特徴のフェンダーサウンド。
ブリティッシュ系やモダンハイゲインなども多数収録。
エフェクト(73種類)の構成
エフェクトは信号の流れる順番に並んでいます。本物のペダルボードと同じ考え方です。
チューナー、コンプ、ドライブ系。アンプに信号が入る前にかける。
39種類のアンプと実際のスピーカーキャビネットモデリング。
コーラス、フランジャー、リバーブ、ディレイ。アンプの後ろにかける。
使い方
ブラウザから「Mustang Native」をドラッグして、オーディオトラックのエフェクトスロットにドロップします。
200種類以上のプリセットが用意されています。「Clean Strat」「Blues Crunch」「High Gain Metal」などのカテゴリから選んで試しましょう。
アンプのGain(歪み)、Treble(高音)、Middle(中音)、Bass(低音)、Volume(音量)を調整します。
ストンプボックスエリアからオーバードライブやコーラスなどのペダルをオン/オフして音を作り込みます。
Mustang Nativeにはギターチューナーが組み込まれています。録音前のチューニングに活用しましょう。
Mustang Nativeのベース版です。フェンダーの「Rumble」シリーズのベースアンプを再現しています。ベースをオーディオインターフェイスに直接つないで録音でき、マイクで録ったアンプの音と同等のクォリティが得られます。
含まれるアンプモデル(20種類)
- Rumble 25 — コンパクトで使いやすいクリーントーン
- Rumble 200 — パワフルなステージ向けサウンド
- Rumble Studio — 幅広いトーンシェイピング
- その他17種のベースアンプモデル
エフェクトの特徴
- 70種類のエフェクトペダル(コンプ・ドライブ・コーラスなど)
- 100種類以上のプリセット
- 内蔵チューナー付き
- エフェクトのみのペダルボードとしても使用可能
Fender Studio Pro 8で新たに追加されたリバーブ(残響)プラグインです。スタジオの小部屋から大きなホールまで、あらゆる空間の響きを再現できます。
主なパラメーター
- Pre-Delay:音が出てからリバーブが始まるまでの時間(ボーカルの定位感に影響)
- Decay(Size):残響の長さ。大きいほど広い空間に聞こえる
- Diffusion:反射音の密度。高いほどなめらかな残響になる
- Mix(Wet/Dry):原音とリバーブ音のバランス
Ping(ピン)ボタンとは?
Studio Verbの特徴的な機能です。Pingボタンを押すと短いノイズを送り込んで、現在のリバーブ設定の響きをリアルタイムで確認できます。
音がどんな風に響くかを実際に音を出さずに確認できるので、設定変更がとても楽になります。スペクトル表示でも視覚的に確認できます。
作曲の途中で「次はどのコードを使えばいいか分からない」というときに助けてくれるツールです。現在のコード進行を解析して、音楽理論に基づいた自然なコードを提案してくれます。
メニューから「コードトラック(Chord Track)」を追加します。
コードトラックに最初のコード(例:Cmaj)を配置します。
コードトラックの上部にあるChord Assistantボタンを押します。
AIが自然に聞こえるコードの候補を複数提示します。気に入ったものをコードトラックに追加します。
サンプラーとは、音声ファイルを読み込んで、キーボードのドからソまでのように音程を変えて演奏できる楽器にするツールです。
基本的な使い方
- WAV・MP3などの音声ファイルをSample Oneにドラッグ
- MIDIキーボードで弾けるようになる
- スタートポイント・エンドポイントを設定
- ループ設定で繰り返し再生できる
v8での新機能
- スライス機能:サンプルを自動または手動で切り刻んでリズムパターンを作れる(右クリック → Slice Sample)
- モジュレーションマトリクス:LFOやエンベロープで音を変化させる複雑な設定が可能(16ポイント、14ソース、24デスティネーション)
- フェードイン/アウト:サンプルの入りと終わりにフェードをかけられる
ドラムサウンドに特化したサンプラーです。16個のパッドにそれぞれサンプルを割り当てて、ドラムビートを作れます。
パッドへの割り当て
- パッドにWAVファイルをドラッグ&ドロップ
- 各パッドで音量・ピッチ・パンを個別設定
- A〜Hの8レイヤー×2バンク=16パッド
v8の新機能
- 「Send to new Sample One」でImpactのパッドをサンプルワンに送れる(808バスドラムを音程変化させるなど)
- フィルターとEGが各パッドに追加
その他の付属エフェクトプラグイン
| プラグイン名 | 種類 | 使い方・特徴 |
|---|---|---|
| Compressor | コンプレッサー | 音量のダイナミクスを整える基本コンプ。シンプルで使いやすい。 |
| Pro Compressor | コンプレッサー | VCA/FET/Opto/Tubeの4タイプ選択可能。より細かい設定向け。 |
| Pro EQ3 | EQ | グラフィックとパラメトリックを組み合わせた多機能EQ。 |
| Room Reverb | リバーブ | 部屋の残響をシミュレート。自然な空間感に。 |
| Analog Delay | ディレイ | アナログテープのような温かいやまびこ。 |
| Chorus | モジュレーション | 音に広がりと揺らぎを加える。ギタークリーントーンに。 |
| Flanger | モジュレーション | コーラスに似た金属的な揺らぎ。個性的なサウンドに。 |
| Phaser | モジュレーション | 音に位相効果を加える独特のウネリ。 |
| Limiter | リミッター | 設定以上の音量が出ないようにブロック。マスタートラックに必須。 |
| Multiband Dynamics | マルチバンドコンプ | 周波数帯ごとに別々にダイナミクス処理。マスタリングに。 |
| VU Meter | メーター | アナログVUメーター。v8から標準インストール済みに。 |
| Tuner | チューナー | ギター・ベースのチューニング確認用。 |
プラグインの追加方法
画面右側のブラウザパネルで「Effects(エフェクト)」タブをクリックします。
リストからエフェクトを選択するか、上部の検索バーで名前を入力して検索します。
エフェクトをアレンジメントビューのトラックか、コンソールのチャンネルストリップにドラッグします。
サードパーティ製プラグイン(外部プラグイン)の追加
- メニューから Studio Pro → Options → Locations を開く
- 「VST Plug-Ins(VSTプラグイン)」タブを選択
- 「Add(追加)」ボタンでプラグインがインストールされているフォルダを指定
- スキャンが完了するとブラウザのEffectsタブに表示される
MIDIの使い方
🎹 MIDIってなに?
MIDI(ミディ)とは、「どの音を、いつ、どのくらいの強さで、どのくらいの長さで弾いたか」という情報だけのデータです。音そのものではありません。
楽譜のようなものだと思ってください。楽譜に書いてある音符は「この音を弾いてください」という指示ですが、音そのものではないのと同じです。MIDIデータは後からいつでも音色を変えられます。
MIDIキーボードコントローラーの設定
USB接続のMIDIキーボードの場合、USBケーブルでパソコンにつなぐだけで自動認識されることが多いです。
メニューから Studio Pro → Options → External Devices(外部デバイス) を開きます。
「Add(追加)」ボタン → 「Add Keyboard(キーボードを追加)」、またはベンダーフォルダから自分のMIDIキーボードのメーカーを選択します。
「Receive From(受け取るデバイス)」と「Send To(送るデバイス)」を「None」からMIDIキーボードに変更します。
鍵盤を押して、画面左下のMIDIモニターに反応があればOKです。
インストゥルメントトラックを作って演奏・録音する
ブラウザから使いたい音源(例:Mai Tai=シンセ、Presence=ピアノ音源)をアレンジメントビューにドラッグします。自動的にインストゥルメントトラックが作成されます。
オーディオ録音と同じ手順で録音します。弾いた内容がMIDIデータとして保存されます。
録音されたMIDIクリップをダブルクリックするとピアノロールが開きます。ここで個々の音符を編集できます。
ピアノロールの使い方
ピアノロールとは、縦軸が音の高さ(音程)、横軸が時間を表す画面です。音符が横棒として表示されます。
- 音符をクリックして選択、ドラッグで移動
- 鉛筆ツールで新しい音符を描く
- 消しゴムツールで音符を削除
- 音符の右端をドラッグで長さを変える
- 上部の「ベロシティ」バーで強さを変える
付属の仮想楽器(バーチャルインストゥルメント)
| 名前 | 種類 | どんな音? |
|---|---|---|
| Mai Tai | アナログシンセサイザー | シンセリード、ベース、パッドなど幅広いシンセサウンド |
| Presence XT | サウンドフォントプレイヤー | ピアノ、弦楽器、管楽器などリアルな楽器音 |
| Sample One XT | サンプラー | 任意の音声ファイルを楽器として演奏 |
| Impact XT | ドラムサンプラー | ドラムキット、パーカッション、電子ドラム |
| Mojito | サブトラクティブシンセ | シンプルで使いやすいシンセベース・リード |
曲を書き出す(エクスポート)
録音・ミックスが完成したら、最後に音声ファイル(MP3やWAV)として書き出します。これでSpotifyやYouTubeにアップロードしたり、CDに焼いたりできます。
書き出しの手順
アレンジメントビュー上部のルーラー(時間の目盛り部分)を右クリック → 「Set Loop to Song(曲全体をループにセット)」または、青い「Start」「End」マーカーを曲の始まりと終わりにドラッグします。
メニューバーの Song(ソング) → Export Mixdown(ミックスダウンを書き出す) を選択します。
ファイル名を入力し、フォーマット(形式)を選びます。
「Export Range(書き出し範囲)」で「Between Song Start/End Marker(曲の始まりと終わりの間)」を選び、「OK」ボタンを押すと書き出しが始まります。
ファイル形式の選び方
| 形式 | 特徴 | おすすめの用途 |
|---|---|---|
| WAV(ウェーブ) | 音質が最高。ファイルサイズが大きい。非圧縮。 | マスター保存、スタジオ納品、CDプレス |
| AIFF | WAVと同等の音質。Mac環境ではWAVより一般的。 | Macユーザーの高音質保存 |
| MP3 | 音質はやや劣るが、ファイルサイズが小さい。 | Spotify・YouTube・SNSシェア、配布用 |
| FLAC(フラック) | WAVと同音質で圧縮(可逆圧縮)。MP3より大きい。 | 高音質配信、バンドキャンプなど |
| OGG Vorbis | MP3に似た非可逆圧縮。オープンソース。 | ゲーム向けBGM、Steamなど |
保存用マスターは WAV / 44.1kHz / 24bit、SNSやストリーミング向けは MP3 / 320kbps がおすすめです。
複数のトラックを個別に書き出す(Stems書き出し)
DTMの世界では「各楽器のトラックを別々のファイルで書き出すこと」をStems(ステムス)書き出しと呼びます。バンドメンバーやリミキサーに渡すときに便利です。
- Export Mixdownで「Export Multiple(複数書き出し)」を選択
- 書き出したいトラックにチェックを入れる
- 「OK」を押すと選択したトラック分のファイルが一度に書き出される
知っておくと便利な機能・テクニック
ドラムメトロノーム(ドラムクリック)
Fender Studio Pro 8では、通常の「カチカチ」というメトロノーム音の代わりに、実際のドラムパターンをクリックとして使える機能が追加されました。
- トランスポートバーのメトロノームアイコンを右クリック
- 「Drum Metronome(ドラムメトロノーム)」を選択
- 70種類以上のドラムパターンから選べる
- 録音しながらリズムを感じやすくなる
ショーページ — ライブパフォーマンス
ライブで演奏するときにバッキングトラック(カラオケ伴奏)を流したり、映像を表示したりするための専用画面です。
- セットリストを組んでボタン一つで次の曲に切り替え可能
- v8から動画トラックが追加され、映像と音楽を同期再生できる
- Fender Tone Master ProをUSB接続すると、リモートコントローラーとして使える
- ライブ中のミキシングや音量調整もリアルタイムで可能
Fender Studioアプリとの連携
スマホ・タブレット用の無料アプリ「Fender Studio」を使うと、スマホで録ったアイデアをそのままFender Studio Pro 8に転送できます。
- iOS・Android・macOS・Windows・Linux対応
- アプリ内の「Transmit(送信)」機能でFSP8に直接転送
- ジャムトラック機能でギターの練習もできる
- コードトラックの確認・編集も可能
フリーズトラック(CPU負荷対策)
プラグインをたくさん使うと、パソコンへの負担(CPU使用率)が上がって動作が重くなることがあります。そのときは「フリーズ(Freeze)」機能を使いましょう。
- 重いエフェクトがかかったトラックを右クリック → 「Transform to Audio Track(オーディオトラックに変換)」または「Freeze Track(フリーズ)」
- フリーズするとプラグインがリアルタイム処理されなくなり、CPU負荷が下がる
- 再度編集したいときはフリーズを解除(Unfreeze)すればOK
イン/アウトポイントのカスタマイズ
スタートページで新しいプロジェクトを開くとき、テンプレートを選ぶだけでなく自分用のカスタムテンプレートを保存しておけます。
- 好みのトラック構成・プラグイン設定でセッションを作る
- メニュー File → Save as Template(テンプレートとして保存)
- 次回からスタートページに自分のテンプレートが表示される
コードトラックの活用
コードトラックを設定しておくと、トラック上の音源が自動的にそのコードの音に従って演奏されます(コードトラックフォロー機能)。即興演奏やコード進行の試し弾きに便利です。
便利なショートカット集
| 操作 | Windows | Mac |
|---|---|---|
| コンソール(ミキサー)表示切替 | F3 | F3 |
| ブラウザ表示切替 | F5 | F5 |
| 先頭に戻って再生 | Enter → Space | Enter → Space |
| クリップをスナップ(グリッドに吸着)のOn/Off | N | N |
| ループのOn/Off | L | L |
| メトロノームのOn/Off | C | C |
| トラック高さを大きくする | Ctrl + ↑ | ⌘ + ↑ |
| トラック高さを小さくする | Ctrl + ↓ | ⌘ + ↓ |
| 新しいオーディオトラックを追加 | T | T |
| 保存 | Ctrl + S | ⌘ + S |
困ったときのトラブル解決
❌ 音が出ない・聞こえない
- オーディオデバイスの確認: Studio Pro → Options → Audio Setup でインターフェイスが選択されているか確認
- ボリューム確認: パソコンのシステム音量、インターフェイスのモニターボリュームを確認
- トラックのミュート確認: Mボタンが点灯(ミュート)していないか確認
- マスタートラック確認: マスターフェーダーが下がっていないか確認
❌ 録音できない・マイクの音が入らない
- 入力チャンネル確認: トラックの入力設定が正しいチャンネル(Input 1など)になっているか
- 録音アーム確認: 赤い録音ボタンが点滅しているか(トラックのアームができているか)
- インターフェイスのゲイン: オーディオインターフェイスのゲインノブが上がっているか確認
- ドライバ再インストール: Windowsの場合ASIOドライバを再インストール
❌ 音が遅れて聴こえる(レイテンシー)
- バッファサイズを下げる: Audio Setupで128〜256 samplesに設定
- 入力モニタリング方式の変更: インターフェイスのハードウェアモニタリングを使う(FSP8の入力モニタリングを切る)
- 他のアプリを閉じる: ブラウザや動画プレイヤーなど不要なアプリを終了
❌ 動作が重い・プチプチ音がする
- バッファサイズを上げる: Audio Setupで512〜1024に設定(遅延は増えるが安定する)
- フリーズ機能を使う: 重いプラグインを使っているトラックをフリーズ
- マルチコア処理を有効に: Options → Audioで「Enable Multi-Processing」がオンか確認
- サンプルレートを下げる: 96kHzを使っているなら48kHzに変更
❌ プラグインが表示されない
- 64ビット確認: 32ビットのプラグインは非対応。64ビット版を使用
- フォルダパス確認: Options → Locations → VST Plug-InsでフォルダパスをAddで追加
- 再スキャン: 同画面の「Scan for Plug-ins(プラグインをスキャン)」ボタンを押す
❌ アクティベーション(認証)できない
- インターネット接続確認: オンライン認証はネット接続が必須
- MyFenderアカウント確認: メールアドレスとパスワードが正しいか確認
- プロダクトキー再確認: 購入メールのプロダクトキーを確認
- サポートへ連絡: my.fender.comのサポートページに問い合わせ
公式サポートリソース
📖 公式ユーザーマニュアル
FSP8内のヘルプメニューから「User Manual」を開くと、詳細なマニュアルをPDFで読めます。
ヒント:「?」ボタン(インフォビュー)で各ツールの説明をリアルタイムで表示可能。
💬 公式フォーラム
studiooneforum.com
世界中のユーザーが質問・回答しています。英語ですが翻訳ツールを使いながら読みましょう。
🎓 初心者向けコース
homerecordingmadeeasy.com
Fender Studio Pro 8の初心者向けオンラインコース(英語)。動画で分かりやすく解説。
📄 クイックスタートガイド
公式のPDF版クイックスタートガイドが下記で入手可能:
fmicassets.com(公式PDF)
▶ Sweetwaterガイド
sweetwater.com
Sweetwater社による英語のクイックスタートガイド。操作手順が分かりやすい。
📧 Fenderサポート
my.fender.com
購入・ライセンス・技術的なサポートはMyFenderアカウントのサポートページへ。
クイックリファレンス
🎸 最初の録音チェックリスト
- ✅ オーディオインターフェイスを接続した
- ✅ ドライバをインストールした(Windowsのみ)
- ✅ FSP8でオーディオデバイスを選択した
- ✅ 新しいソング(曲ファイル)を作った
- ✅ オーディオトラックを追加した
- ✅ 入力チャンネルを設定した
- ✅ 入力モニタリングをONにした
- ✅ レベルメーターが反応しているか確認した
- ✅ 録音アーム(赤いボタン点滅)した
- ✅ 録音開始(*キー or 赤いボタン)した
🎛️ 必須ショートカット
| 操作 | キー |
|---|---|
| 再生/停止 | Space |
| 録音 | * |
| 先頭に戻る | Enter |
| 元に戻す | Ctrl+Z |
| 保存 | Ctrl+S |
| ミキサー表示 | F3 |
| ブラウザ表示 | F5 |
| 矢印ツール | F1 |
| クォンタイズ | Q |
| 複製 | Ctrl+D |
📦 付属プラグイン早見表
Mustang Native
39アンプ / 73エフェクト / 200+プリセット
Rumble Native
20アンプ / 70エフェクト / 100+プリセット
Studio Verb
アルゴリズミックリバーブ / Pingボタン付き
Sample One XT
モジュレーションマトリクス / スライス機能
Impact XT
16パッドドラムサンプラー
Chord Assistant
コード進行提案 / AIが次のコードを提案